呉亜沙
global
油畫
97 x 162.5 x 3.2 公分
2024
呉亜沙は1978年神奈川県生まれのアーティストで、女子美術大学絵画科洋画専攻卒業および東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、2005年に文化庁の新進芸術家海外留学制度で渡米。彼女の作品は第21回上野の森美術館大賞展で優秀賞を受賞し、佐藤美術館や東京オペラシティアートギャラリーなどにコレクションされている。制作初期より自分と他者、家族、自然との関係性を探求してきた呉亜沙だが、子供を生み育てる過程でさらに意識の変化を見せている。近年では「都市と子供」をテーマに作品を展開。合理的な大人と本能的な子供の対比を描き、変わりゆく時代の中で柔らかな感性と深い哲学的視点をもたらしている。
雑草子供のウサギの足元には整然とした東京の街並みが広がり、空には飛行機が規律よく飛び交っている。その一方、雑草子供のウサギは街中にゆったりと座り込み、飛行機をおもちゃのように手でつまみ遊んでいる。合理的に世界を形作っていく大人と本能優勢に進み育っていく子供の対比を、都市と雑草子供という図で表現してきた近年における新作。彼女にとって最も身近な他者である子供と、取り巻く社会を見つめる視点が、柔らかくも鋭い独自のバランス感覚で描き出されている。